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評価額1兆円超えの巨大ニュースまとめサイト「頭条(Toutiao)」。百度の次を担えるか?

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今日頭条(Toutiao)というアプリが中国で流行っています。

最近では、スマホにプリインストールされていることも多いらしく、ユーザー数は現在約6億人。
すでに中国のインフラとなりつつある、ウィーチャットが約9億人ですから、かなりの規模になりつつあります。

 

以下、会社概要。

 

企業名

北京字节跳动科技有限公司

所在地

北京市海淀区知春路甲48号

利用可能・展開国

主に中国

設立年

2012年3月

代表者名

Zhang Yiming

従業員数

1000-9999人

利用者数

約6億人

売上

約60億RMB(2016年)

ファンディング

・合計1.1B US$を6投資家から調達(4ラウンド)

・セコイヤチャイナやCCB International、中国建設銀行の投資部門らが同社に資金を注入

その他

・2017年からToutiaoは動画等のオリジナルコンテンツに投資を行っており、黒字化には至っていないといわれている。

・運営元の北京字节跳动科技の企業価値は、直近の資金調達時に110億ドル(約1.2兆円)とされた。

・同社は、インドやインドネシアのメディア企業にも出資を行っている

・2017年2月には米国の動画アプリFlipagramを非公開の金額で買収

 

Toutiao人工知能を活用し他のニュースサイトの記事をキュレーションし、配信。Toutiaoのアルゴリズムはユーザーの位置情報や閲覧履歴から、個人に最適化した最新ニュースを4000以上の提携サイトから抽出し、配信する。

若いユーザーを惹き付けるため、短めの記事も多数用意し、漫画やGIF画像、ストリーミング中継やQ&Aコーナー等の多彩なコンテンツを揃えている。

まとめニュース系SNSアプリと言われることもあるようだ。

 

個人がニュースを発表するのは中国ではNGだが、アプリが同ジャンルの許可された新聞社のニュースと個人の書き込みをSNSアプリ扱いで一緒に出すことはNGではない。

ということらしく、通常のニュース記事からまとめ記事的な内容まで、報道機関から一般ユーザーまでもを情報発信者として取り込み、各ユーザーの行動特性に基づき最適化された情報を届ける、ということになりそうだ。

 

そして、基本はモバイルで利用されているアプリの為、モバイル記事内のインフィード広告からの収入が主収入源となっている模様。

 

すでに多くの著名企業が広告出稿をしているらしく、60億ドルの売上に貢献している。

パーソナライズされたコンテンツに伴う広告を出せるという強みを活かし、広告獲得を加速しているとみられるが、モバイルの広告相場がまだ安いという事も追加要因として有り得るかもしれない。(あくまでも推測。実際は要調査です)

 

同じくアグリゲーション系(まとめ系)ニュースサイトでは、

 

このような超大手までもが追随する形になっていますが、Toutiaoがまだ圧倒的No.1の座をキープしているようです。

 

様々なユーザーが記事を投稿出来る仕組みの為、違法なコンテンツなどが掲載されてしまう事も多々あるとの事。当局からの規制が今以上に急速に厳格化されるような事になると、今後の成長に影響が出る可能性がある。

 

今後、モバイル広告がさらに主流になる中で、百度の次世代プレーヤーとして広告ビジネスの雄となれるか、注目です。

 

(出所)

https://forbesjapan.com/articles/detail/16407

http://thebridge.jp/2017/04/toutiao-series-d-1-billion-usd

https://japan.zdnet.com/article/35102602/

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