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”中国人の98%がモバイル決済利用”は本当か?

先日、以下の記事がネット上で少し話題になっているのを目にした。

 

president.jp

 

日銀のレポートに記載された人民網の数値だが、スマホ決済98%というのは確かに驚異的だ。

中国都市部では、非常に広範にモバイル決済が利用される。そして、新たなサービスは全てモバイル決済利用を前提に作られるというスパイラルが起きているのだろう。

 

ただ念の為、気をつけておきたいのは、この98%という数字は取引金額全体に対する比率ではない。以下、ソース元の日銀レポートから引用する。

また中国でも、都市部の消費者を対象に実施された調査によれば、回答者の 98.3%が過去3カ月の間にモバイル決済を「利用した」と答えたとの報道(2016 年 5 月)もある。

(出所)日銀レポート「モバイル決済の現状と課題」

 

つまり、過去3ヶ月で一度でも利用していれば、利用者としてカウントされる。毎回毎回、どんな支払いでもスマホを利用している訳ではない。現金を使うことも勿論あるのだ。

 

以下のグラフを見てみよう。

 

【中国で直近3か月で利用された決済方式(2016年5月時点)】

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 (出所)FT

 

アリペイは確かに圧倒的に普及していて、Third-tier都市(少し田舎位の町と推測)でも首都圏と利用比率が変わらない。ウィーチャットペイも都市の大小に関わらずくまなく利用されている。この測定時点では数値は多少低いが、2016年全体で前年比3倍ほどの取引金額になったことを考えると、利用比率も上昇しているだろう。

 

一方で、現金に関しては田舎の方が利用率が高い。と言うより、首都圏での利用率がアリペイに比べ低くなっているといった方が正しいかもしれない。首都圏では現金の利用率が75%ほどになっているが、裏を返せば25%ほどが現金無しでも生活できているということ。それこそ、驚異的ではないだろうか。